2022年春アニメキングダム

KINGDOM~キングダム~飛信隊、攻め込む。信と関わる敵味方。第4期第7話考察

2022年春アニメ

信と戦う魏火龍・凱孟

 今回のお話はここ最近では珍しく、私たちの飛信隊がずっと活躍する回になりました。その戦いの中でいろいろな事が起こるわけなんですけど、注目しなきゃならないのは、相手の大将である魏火龍(ぎかりゅう)凱孟(がいもう)の登場でしょう。

 「キングダム」は何度も言われていますけど、嬴政(えいせい)が戦国春秋時代の中華を統一して、秦の始皇帝となるまでのお話です。その長い旅路を描く中で、実物をアレンジしているけれど、名前だけは本当に歴史に残っているキャラクターがたくさん登場します。

 趙(ちょう)の三大天として登場する廉頗(れんぱ)藺相如(りんしょうじょ)「刎頚(ふんけい)の友」の故事を残している超有名な武将である事などは、その代表例とも言えます。ただ、今回から登場する魏火龍七師は、ちょっと実在したのかどうか怪しい武将たちなんですよね。

 恐らくは主人公の信が「秦の六将」や「三大天」という、天下の大将軍と比べてどのくらいまで近付いたのかを測る意味合いで登場するキャラクターだと思うのですが、既に王騎将軍や廉頗とは直接戦う機会のないように思える信だけに、そういう存在が必要だったのでしょう。

飛信隊と娘軍師の河了貂

 今回のエピソードは飛信隊の中でも娘軍師の河了貂(かりょうてん)にスポットの当たるお話になっていますが、実は裏話で、彼女は戦場の最前線からはフェードアウトしていく展開が最初の構想ではあったそうです。

 これは軍師として再登場したタイミングから思うに、羗傀(きょうかい)が飛信隊を離れる間の代役として起用されたのではないかと思うのです。「キングダム」はとても濃厚な物語で戦場の厳しさや、場合によっては犯罪も描きます。だから、普通の女の子に近い河了貂がそこに居続けることに、作者は無理があるのを感じていたのではないでしょうか。

 それでも河了貂が未だに居続けるのは、今までの戦いの中から飛信隊になくてはならない存在になっていったからです。ただ、それは信に足りない部分を補う存在としてであり、この先、信が成長したら居場所を失くしてしまう可能性もあります。

 そんな将来の不安と、フェードアウトさせる当初の構想にあった危険を具現化したのが今回のエピソードです。彼女の不在により飛信隊の内部に大きな亀裂が走ることになるのですが、彼らはこの試練をどう乗り越えて行くのでしょう。

亀裂が走る信と羗傀

 シーズン4の飛信隊が今までと大きく違うのは、復帰した副長の羌傀と娘軍師の河了貂が一緒に戦うということです。今まではそれぞれが不在の時に隊の中で重要な役割を担ってきましたが、今回のシーズンからは共に飛信隊の隊員として戦っています。

 この二人と言えば、主人公である信のお嫁さん候補として必ず名前のあがる「キングダム」のヒロインです。現在までのところ、一番人気の本命が羌傀で、河了貂は二番手、三番手、場合によってはもっと下という評価が目に付きます。

 ではなぜ羌傀が一番人気があるのでしょう?それは、彼女がとても純粋だからだと思います。自分の身を犠牲にしてでも信や飛信隊を助けようとする姿勢に、胸が苦しくなるほど心打たれてしまう場面がたくさんあります。そういう積み重ねが、彼女の幸せを望む多くの声に繋がるのでしょう。

 信も羌傀も本当の家族の愛を知りません。ただ、身内同然の大切な存在は知っています。そして、その大切な存在を若くして失っているという共通項があります。そんな二人が作り、育んできた大切な場所が飛信隊です。河了貂の不在によって生まれたそんな信と羌傀の言い争い。こういう時、素直に自分の気持ちを爆発させる信とは違って、羌傀はぐっと自分の気持ちを押し殺します。それがとても辛くて、心が張り裂けそうになります。飛信隊はこんな状態で、次回から戦って行けるのでしょうか?

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いかがでしたか?
お届けしたのは、天衣無縫の調のさくらでした。
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