飛信隊、生え抜きの名に込められた思い
前回までの王賁(おうほん)率いる玉鳳隊(ぎょくほうたい)の戦場から、今回は主人公である信が率いる飛信隊の戦場へ移ってきました。隊長である信を囮にして、羗傀(きょうかい)が率いる部隊を呉鳳明(ごほうめい)本陣へと突入させます。
改めてこう比べてみると、二つの隊は随分違います。士族のエリートで固められた選抜隊の玉鳳隊に対し、農民歩兵から成り上がりを狙う飛信隊。これは割と有名な裏話ですけど、飛信隊の古株である田有は、有田さん。田永は永田さんという、原先生が会社勤めをしていた時の先輩の名前を使わせて貰ってるんですよね。
そういう事情があるからか、どこか飛信隊には原先生が思い描く理想のチーム、こうあったら良いなっていうチームの姿が見え隠れします。
羗傀と河了貂、二人のヒロイン
今回の戦いは隊長である信を敢えてピンチに追い込み囮にする事で成功を狙うという非情の作戦です。この方法を考え付いて根回しした軍師の河了貂(かりょうてん)は、信に対して家族のような思いがある訳ですから、当然とても心配です。だけど、軍師として時に非情な決断をしなければならない事も覚悟しているので、援軍の到着を待ち侘びてとてもヤキモキします。
そのもう一方、もう一人のヒロインとも言うべき副長の羗傀は、作戦開始、突入の合図があるまで信の周囲の敵を自らが相手する気遣いを見せる一方、いざ突入を開始したら、一度たりとも後ろに残し危機に直面する信に対して振り返るような真似も、心配するような素振りも見せません。
これは、強い信頼の証だと思います。河了貂の作戦に対する信頼。そして、信の強さや生命力に対する信頼。だから一度も振り返る事はなく、ただひたすら、目指すべき呉鳳明のところへ突き進むのです。
信はみんなに支えられながら、それでも引っ張る隊長
そして、主人公であり隊長の信です。完璧主義で意識高い系の典型のようなライバル王賁と比べると、本当に信は自ら戦う以外の事には疎く、作戦を考える事も、周囲の意図を汲み取る事も、全体を指揮する事も決して得意ではなく、足りない部分ばかりです。
それでも、信と一緒に戦いたい。夢を見たいという、不思議な魅力のある武将です。ある意味、皆が憧れるほど、立身出世の典型として自身の腕一つで成り上がりを果たし、カリスマ性さえある人物なのに、隊の者たちから頭が悪くてバカだと思われてる部分など、とても玉鳳隊ではあり得ない話で、この空気感が一番、飛信隊らしいのかもしれません。
そして、信はそういう砕けた隊長なのに、真っ先に先頭を切り隊を引っ張ります。それは時に他の隊員が口をあんぐりしてしまうような無茶な指示にもなってしまうのだけど、不思議とここ一番では、みんな信の為に動いてくれます。
この、何とも言えない絶妙の距離感というか、信頼関係のようなものは、原先生が常に自分の周囲に対して求めているものなのかもしれません。
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いかがでしたか?
お届けしたのは、天衣無縫の調のさくらでした。
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