始まった最終決戦
今回のお話では、遂に王都である咸陽(かんよう)の内部にまで侵入して来た反乱軍によって民が犠牲になっていきます。街には火が点けられ、家々が燃やされていきます。まるで地獄絵図。
その場に到着した飛信隊は一瞬、絶望的な気持ちになります。彼らの脳裏には王弟・成蟜(せいきょう)を救えなかった屯留(とんりゅう)の出来事が甦ります。
そんな味方を鼓舞し、隊長である信が進んで行く最中、旧王都である雍(よう)では国王である嬴政(えいせい)と最高権力者である呂不韋(りょふい)の二人きりで、最後の対決とも言える対話が行われていました。
「天下」を初めて口にし主導権を握ったかに見えた呂不韋に対し、嬴政は今日、これまで国を支え、明日どちらの政権になっても国の中枢で活躍する面々をこの対話の見届けに招き、呂不韋が失脚しても呂氏四柱の者たちに今後も仕事して貰う姿勢を示してみせます。
そして、注目の対談が始まりました。
現代ならば最も支持される公約
今回、興味深かったのは、呂不韋が自らの理想とする国造りを語った事ではないでしょうか。天下を語る為に、その起源を語る。そして語られた天下の正体は、お金でした。正確には、通貨制度です。
考えてみると、この紀元前の時代、遥か二千年以上の昔から、人間のやる事は基本的に同じなのかもしれません。既にこの時、民は税を収め、朝廷と呼ばれる政治家たちが国を運営し、争いがあり、貧富の差があり、出世や嫉妬に翻弄されます。
そして呂不韋が語った、私が秦(しん)の国王になったなら、歴史上、最も富める国にするというお話は、現代の政治家が公約として語ったならば最も喜ばれるようなものです。
恐らく、立会人がいない嬴政と二人きりの場だったとしても、呂不韋は同じ事を話したでしょう。
つまり、今まで本心を隠していただけで、この言葉に裏も表もないという事です。それだけ、呂不韋は商人として、政治家として優秀だという証明でもあります。
お金で買えないものは何ですか?
お金の話をしながら、呂不韋は「我欲」という言葉を使って人の進化、文明の進歩を語っていました。人と人を比べられるお金という尺度が出来たから、人は自分と他人を比べてしまうようになり、立ち止まれなくなったのだと。
ふと、こういう難しく生々しい話題を語っている呂不韋を見て、私は
「お金で買えないものは何ですか?」
という質問を思い出しました。
お金で買えないものが、人生で本当に大切なものだという意味でよく使われる質問です。
でも、欲しい解答から逆算して質問するなら
「貴方が、幾らお金を積まれても売らないものは何ですか?」
と、いう質問にしないと、答えにはならないと考えた事があります。
お金で買えないものは、売っていないものだけです。売らないものは人それぞれ違います。
呂不韋の語る我欲の中に、生命も、愛も、夢も含まれる場合があります。そういうお金の本質を良く理解しているから、呂不韋は王になった時の指針としてお金の話をしたのではないでしょうか?
とても説得力があります。
さて、これだけ強力な言葉と方針をぶつけられて、我らが嬴政はそれ以上の言葉と思想を語らなければなりません。まさに、器が試される場です。次回の嬴政に注目です。
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いかがでしたか?
お届けしたのは、天衣無縫の調のさくらでした。
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