2022年春アニメキングダム

「KINGDOM~キングダム~」考察。物語の中で最も重要な関係性、信と嬴政

2022年春アニメ

主役と主役という特別な立ち位置

さて、いよいよ今週からアニメ「キングダム」の第4期がスタートします。

ここ最近は第3期の振り返りという意味で合従軍戦の事を書いてきましたが、
やっぱりキングダムは登場するキャラクターが多くて、なかなか全部は書ききれません。

そこで今回は第3期のまとめの意味も込めて、物語の中で最も重要な関係性
主人公のともう一人の主人公とも言うべき国王・嬴政(えいせい)について
ご紹介していきたいと思います。

原作が好きな方にはご存知な方も多いと思いますが、
「キングダム」の主人公、元々は嬴政にする予定だったという話があります。
それこそ、秦の始皇帝が中華統一をするお話ですよね。

ただ、嬴政をメインにしてしまうと政治的な場面が多くなり、
物語的に盛り上がりに欠けるという事で
新たに主人公の武将として生まれたのが信なのです。

なぜ信だったのかというと、嬴政と李信という実在の人物の間には、
何かしらの友情があったのではという、原先生の考察から生まれたものなのですが、
その理由となったお話はアニメでも原作でもまだ描かれていません。

漂が繋いだ二人の縁

 嬴政を引き合わせたのは、信にとって
唯一の身内同然の存在だった(ひょう)です。

嬴政にとっては影武者だった訳ですが、年格好、容姿と
あれだけ似ている若者と出会いクールな嬴政もきっと驚いた事でしょう。

実際、王宮に居てあまり庶民の事に詳しくない嬴政は
弟の反乱が迫っている緊急事態だというのに、漂にいろいろと話を聞きます。

その漂なのですが、出番は最初の頃のごく僅かなのに、
凄く印象に残り未だに名前が登場するのは、
それだけ信にとって大きな存在だったというだけでなく、
やはり漂の立ち居振る舞い、その言動が大きかったと思います。

実は、嬴政を主人公に「キングダム」を描こうとした時のキャラクターは、
そのまま漂だったという裏話もあります。

そんな漂は次に何をやれば良いか、
今、何をやれば良いかという事を見抜く目がズバ抜けていました。
だからこそ、最期の最後、この二人を出会わせたのかもしれません

嬴政という光を届け、薄弱の王だから追い詰められてしまう
国王・嬴政には憂いや敵を薙ぎ払う信という剣を届けた。
そう考えると、二人の主人公・信と嬴政を語る上で、
絶対に外せない存在なのが漂なのです。

信にとって嬴政は光。嬴政にとって信は剣

 漂が縁を結んだ剣と光。好きも嫌いもなく、
最初はお互いの利害の為に手を組みます。

嬴政には中華統一という悲願があり、
絶対にこんなところで死んではならないという強い意志があります。
何が適切なのかを考えるのと同時に、
必要ならば何でも利用して生き延びようという強い意志があります。

実際、趙(ちょう)に人質に出されていた時、
国中の恨みを買って毎日地獄のような日々を過ごしていた嬴政は、
出会った時点では信よりも遥かに修羅場を潜り戦闘経験も多く、
実際に王弟・成蟜(せいきょう)の反乱を鎮圧する時には
総大将としてだけでなく、味方を鼓舞し作戦指揮を執る面も見られます

一方の信は、実質これが初陣です。
漂との試し合いは数千戦も行ってきましたが、あくまで練習の域を出ません。
ただ、だからこそ一瞬ごとに信は成長していくのです。

そんな二人の出会いと初陣。
実は合従軍戦の終盤は、あの時以来、二人は肩を並べ、背中を預けて戦うのです。

常に意識する友

出会いと始まりの戦い以来、途中、暗殺者との暗闘こそありましたが、
合従軍戦は信と嬴政が背中を預けて戦い合う絶体絶命の戦いになります。

ただ、それまでも現場こそ違え、戦う場所こそ違え、
その存在を常に意識してきました。それもお互いに。
この関係性はどうしてなのでしょう?

嬴政にとっては最も信頼できる武将というだけでなく、
やはり強い共感と仲間意識があるのだと思います。
そして、国王である彼にとっては、そんな存在、
そんな同世代の友は、唯一無二の存在なのです。

一方の信にとってはどうでしょう?
嬴政の目指すものは信には難し過ぎて
理解が追い付いていない面は見られましたが、
趙の万極(まんごく)将軍の怨念と対峙した時、
信は嬴政の理想に共感し、戦う気力を取り戻すのです。

そしてそれはやはり、初めて共に死線を潜り抜けた仲間だという
意識から一つ踏み出した関係性だと言えます。

この時点で信は千人将。
つまり千人の部下を束ねる武将です。
その立場と共に責任が大きくなる中で、同時に嬴政の偉大さに気付いたのだと思います。

「誰が国王だって俺たちには関係ねえ。昔そう言ってたが、
あれは間違いだ。国王こそ大事だ」
嬴政にそう告げる信を見ると、その成長を感じずにはいられないのです

英雄王・嬴政の誕生と信の特別武功

そして合従軍戦の終盤、絶望に暮れる信を照らす光のように、
嬴政は登場し二人は蕞(さい)の城で決死の籠城戦を行います。

そして王騎将軍でも無理ではというくらいの特別な士気を爆発させ、
女、子供、老人で形成された民兵を見事な戦う集団にまとめ上げます。

一方、この戦いで獅子奮迅の働きをしたのが信でした。
そして面白い事に、嬴政が負傷して撤退を他の指揮官たちが進言して来た時、
それを告げに行く役に指名されたのが信なのです。

「他の誰でもなく、お前に言われたら大王も納得するだろう」と。

一方、信の方は最初から説得するのは無理だと思っていました。
負けたら終わりの状況で、戦う炎を燃やす中心に居る
嬴政が撤退する事は敗北を意味する事を、
信も嬴政も知っていて、その上で
嬴政が絶対に拒否する事を、信だけが分かっていました

このシンパシーはまさしく親友の以心伝心。
この関係に支えられたからこそ、嬴政は英雄王として、
ある意味この大戦で最も名を上げ、信は指揮権を与えられた
7人の将軍に次ぐ、特別な功をあげた武将として高らかに表彰されます。

やっぱり、こう考えると、信と嬴政の関係こそが物語の中で最も重要なのです。
その事を意識したうえで、いよいよ始まる第4期に心の準備を整えたいですね。

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いかがでしたか?
お届けしたのは、天衣無縫の調のさくらでした。

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