患者さんさえも、寄り付かない店
エリザベート陛下の命を救った功績として、自分の薬局を持つこととなったファルマ。
自分が夢として想像していた店を設計し、より多くの患者さんの命を救うため、準備をしてきました。
そして、とうとうオープンすることとなったファルマの店【異世界薬局】ですが、開店から一ヵ月を過ぎても、薬を買いに来るお客さんどころか、診察に訪ねてくる患者さんすらいませんでした。
「思うようには、いかないな」
興味はあって、お店を除く平民の人たちはいても、誰も薬局に入らない状況に困惑気味のファルマ。
おまけに、いくらファルマが『万能の民のために』という思いで、薬局を作ったところで、平民は、平民薬師の老舗を利用したり、貴族は貴族で、自分の家に薬師を呼びつけるという形をとっているため、それらの形を崩せる『魅力的な何か』を彼らに知ってもらう必要もあります。
そのうえ、薬局の店主であるファルマの噂も広がっているのが大きいのでは?と私は感じました。
帝国でも数少ない『宮廷薬師』であり、尊爵家のご子息が経営する店。
エリザベート陛下を救った薬師ともあれば、何もかもが凄すぎて、平民の人たちがおいそれと近づいて、話すというのも難しいと考える人も多いかもしれません。
では、どうやったら【異世界薬局】を繁盛させることは、できるのか?
平民の声をアンケートに!!
どうやったら、お店にお客さんを入れることができるのかと、
悩むファルマの元に、嬉しい知らせが届きます!!
ファルマに仕えている使用人、ロッテが、街の平民たちにアンケートを取ってきてくれたのです。
【異世界薬局について、思うこと】
・勅許印が怖い
・貴族と話す作法を知らない、不敬罪にされそう
・貴族のお店に着ていく服がない
・門番の騎士が怖い
・店主が子供だ
アンケート結果をみるかぎり、お店に入る前のところから躓いていることが分かりました。
加えて、薬の値段が応相談なのが、めっちゃくちゃ高そうで怖いという意見。
ファルマの中では、患者さんの懐具合をみて『応相談』と思っていましたが、平民にとっては、ハッキリとした薬の価格が見えない形が、不安材料となっていたようです。
解決策:薬や診察代の具体的な値段を店先に表示する
・字が読めないので、表の看板を見てもよくわからない
解決策:紙に絵を書いて、使い方を伝える
『どうしてできないのだろう』と、悩み続けるより、行動をおこした方が、次に繋がる機会が増えるんだなぁと思いました。
そして、今回の功労者は、使用人のロッテですね。
同じ平民という立場を利用し、主人であるファルマを助けることができたのですから。
主人公ファルマ以外のキャラクターたちの活躍を見ることもできるので、とても楽しめます!!
美に対する流行と命の危険
ファルマの元に、新たなお客様として、父ブリュノと母ベアトリスがやってきました。
父ブリュノは、お客として、薬剤師として、息子ファルマの店の中を視察します。
ブリュノの、お店に対する反応は上々といったところ。
しかし、お店に来ている客足について、痛い所をファルマは突かれます。
「貴族と商人は、まだらに来ているが、平民のお客は来ているのか?」と。
ロッテのおかげで、平民にアンケートを取ることが出来、改善点も見つかったのですが、なかなか思うようには、平民の客足には繋がっていないようでした。
すると、悩んでいるファルマに、母ベアトリスは、別の方向からお客さんを取り入れることを進めます。
「貴族を相手に、化粧品とかを売ったらいいんじゃない?」
貴族の間で流行って、化粧品の値段が下がれば、平民も使うことが出来る。
とっかかりは、薬ではありませんが、ファルマの『良く効く薬』を知ってもらうのと、『薬局』にお客さんを入れるには、確かにいい案な気がします。
次に、何の化粧品を扱うか、です。
母ベアトリスは、美肌になるための化粧品を進めます。
世間での流行を取り入れた案に関心しました。
なおかつ、『美肌』だけでなく、香りが良くて、長持ちするものといった付加価値もついた案に、なるほどと感心しました。
化粧品を進める方向で話を進めている中、父ブリュノからは、
化粧品を扱うのであれば『白粉(おしろい)』は使わないことを言われます。
『白粉(おしろい)』とは、昔は鉛白などの有害な重金属原料が含まれているとされていたため、粉を口から吸いこむだけでも体に吸収されてしまうため、注意が必要とされているものです。
そのため『白粉(おしろい)』をはたく婦人ほど、早死にすると言われているそうです。
加えて、白い肌を目指すために『瀉血(しゃけつ)』血抜きを繰り返す婦人が後を絶たないといいます。
体を傷つけない化粧品を開発!!
父ブリュノ、母ベアトリスと『美』の流行について話している真っただ中でした。
薬局に駆け込んできた、急患要請。
馬車の中で、やたらと白い顔をした婦人を見るファルマ。
自分の能力を使い、婦人の体を調べます。
婦人の腕に何本もある切開の跡。
先ほど、両親たちと話していた、白い肌を得るためにおこなう『瀉血(しゃけつ)』血を抜くという行為。
病気でもない、健康体な人が何度も血管を切開したことで、傷口は感染して、婦人の体調も崩れてしまったようです。
「白い肌の女性が好き」
思いを寄せる相手に、気に入られるため、女性は自らの体を傷つけることを厭いません。
そんな婦人の強い思いを受け取ったファルマは、体を傷つけない化粧品の開発に取り掛かります。
ファルマは、鉛白と水銀化合物が入っていない安全な成分で作られた『おしろい』を作りました。
加えて、クロエの体質にあった日焼けを防止する成分も含めました。
クリームを肌に塗った後、仕上げとして『パウダー』をハケでそっとのせ、キラキラと光る雪のような肌を完成させました。
『化粧品部門』ファルマのお店2号店を開設!!
貴族令嬢のクロエ用に作り上げて、誕生した化粧品セット。
自分の体を傷つけないで出来る、社交界でも評判なスキンケア。
流行の先を行く貴族が使っているのと、平民の女性でも手に入れることが出来る値段とあって、大好評!!
「すべての人を美しく」をモットーに、幅広い層をターゲットにしています。
そして、このことがきっかけで、多くの平民が薬局を訪れ、化粧品だけでなく、薬や診察といった、本来ファルマが【異世界薬局】でやりたかったことが、進めることに成功します。
しかし、薬局が繁盛していて、嬉しいはずが、困った表情を浮かべるファルマが気になりました。
なぜなら、人気が出すぎた『化粧品セット』の生産が追い付かず、売り切れが続出しているといった状態だったのです。
そこで、化粧品部門で、独立した子会社を設立する案が飛び出します。
オーナー・店主はファルマのままで、出資者にド・シャテイヨン侯爵令嬢のクロエがなり、新たな専属薬師を取り入れることに。
【異世界薬局 2号店 コスメブランド『メディーク』】
従業員は、医薬知識及び、経験豊富な女性薬師を採用。
産休・育休・出産などで、契約を切られた女性薬師を、より長く働いてもらえるように提案します。
ロッテが新たに取った、最新のアンケート結果も上々で、嬉しいスタート発進となったようです。
「異世界薬局」が気になったなら、「U-NEXT」で!
いかがでしたか?
お届けしたのは、天衣無縫の調のさくらでした。
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