2022年春アニメSPY✖FAMILY

「SPY×FAMILY」ミッション4「名門校面接試験」感想。結果は自らの手を離れて。

2022年春アニメ

今後の鍵を握るヘンリー・ヘンダーソン教諭

 今回の作戦は結果として上手くいかない可能性が高く、父ロイド、母ヨル、娘アーニャの3人が落ち込む形に終わってしまいます。ただ、家族がイーデン校の面接試験に合格する可能性が唯一あるとしたら、それは娘を酷い口撃から救い、逆にイーデン校の教育方針に疑問を呈したロイドの言葉に反応した今回の試験官の中でマスターを務めるヘンリー・ヘンダーソン(66歳)の存在でしょう。

 何度か紹介してきましたが、1960年代、東西冷戦の影響が強く残る欧州。それも東と西に国が分断されていたドイツがこの物語の舞台設定に大きく影響しているのは間違いないようです。そういう事を考えると、66歳になっても教育の現場で第一線に立とうとしているヘンリー教諭はかなり珍しく、同時に教育熱心な方です。

 彼が生徒やその家族に求めるエレガント=優美で品のある佇まいを最も体現していたのはロイドらロージャー一家でした。だからこそイーデン校の誇りを守る為、下衆な振る舞いでフォージャー一家を傷付けたマードック・スワン教諭に鉄拳をお見舞いするのです。

 これからの展開は家族だけではどうにもなりません。既に試験が終わり、その結果は他人の判断に委ねられるから。ただ、その鍵を握るのはやはり、初代学長のような立派なアゴ髭を蓄えたヘンリー先生なのでしょう。

「一緒が終わる」に動揺するヨル

 物語の進行と共に徐々にクローズアップされてくるのは、妻であり母であるヨルさんの異常な部分です。何と言うんでしょう、ヨルさんはかなり変わっています。片付けが得意なのに料理がまるでダメで、面接でもその事を責められていましたが、ヨルさんは一人暮らしが長く、また今のようにコンビニや宅配が充実している訳ではない時代です。最低限、自分の食事を自分で何とかしないとなりません。

 だから、相当簡単な物を食べていたのでしょう。それこそ、美味しいとか体に良いとか、そういう事は一切考えず、体が動く程度の栄養補給が出来れば十分だと。だからこそロイドの作ってくれた料理に驚き、温かいココアの味に喜んだのです。

 そんなヨルさんの社交性は、かなりのコミュニケーション障害。ただ今回は夫のロイドが居る事で面接対策を済ませ、尚且つ彼の真似をすれば良いという安心感の元に行動出来ます。そんな心の平穏は恐らく物心ついた時から、初めてなのではないでしょうか?だからこそ彼女は、娘のアーニャが「一緒が終わる」と言った時、動揺してしまったのでしょう。

自分でも驚くロイドの行動

 作戦名「梟(ストリクス)」。つまりイーデン校のPTAになって東西戦争の鍵を握る政治家デズモンドに接触せよ。コードネーム「黄昏」がロイド・フォージャーの名を名乗るようになったのは、全てこの作戦の為です。この為だけにイーデン校の小学部を受ける年齢の子供を探し、面接試験に同伴してくれる母親を探し、物語の核となる疑似家族が結成されたのです。

 それぞれに事情を抱えた家族の面々なのですが、その中でも一番変化が起こっているのがスパイの父ロイド。つまりこの作戦の発起人でもある「黄昏」です。舞台は東国(オスタリア)ですがロイドは西国(ウェスタリス)のスパイ。溶け込む為にかなりの準備、研究を行い、相手の望む人物像に成りきる事で「黄昏=誰そ彼」のコードネームを付けられ、千の顔を持つとまで言われるようになりました。

 そんな超一流スパイが感情を理性で抑えきれず、面接試験を退場してしまうのです。それは娘を思い、妻を思っての行動から出る、父であり夫としては当然の行為。同時にスパイとしては絶対やってはいけない行為です。

 だからこそ酷く落ち込んだ今回のロイド。未来を他人の手に握られた上で今後も物語が続き、疑似家族が続く事によって彼に今度どんな変化が見られるのか?とても楽しみですよね。

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いかがでしたか?
お届けしたのは、天衣無縫の調のさくらでした。
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