2022年春アニメキングダム

「KINGDOM~キングダム~」考察。天才軍師・昌平君はなぜ合従軍結成を見破れなかった?

2022年春アニメ

真っ先に警戒した楚趙同盟

「私の失態だ」
あらゆる事に精通する(しん)の天才軍師・昌平君(しょうへいくん)が
そう零したのが合従軍(がっしょうぐん)を結成されて
自国に攻め込まれた時なのですが、
何故、昌平君はその不穏な動きを見破れなかったのでしょう?

今回はそれを考察していきたいと思います。
まず、最も警戒していたのは楚趙同盟(そちょう・どうめい)だったという事でしょう。

とは期間限定の同盟を結んだばかり。
この恩恵もあって(ぎ)の要所・山陽を攻略する事が出来た秦国ですが、
同盟は互いにいつまで守られるかの保証がないのが戦国の世
そして趙には王騎を倒し、現在の中華で最も危険な男と目される李牧が居ます

また、昌平君の出身地である超大国・楚は、
領土を拡大し強国となった秦でさえ未だに一目置かざる得ない程の存在です。

この二国を当面の敵として最も警戒するというのは、
昌平君ならずとも、誰もが真っ先に考える事。
そして、実際にこの二国には怪しい動きがありました。

だからこそ楚趙同盟の動きを警戒していた。
そしてそこに注意が集中するあまり、他の国の動向を探るのが疎かになった。
まず、考えられる理由の一つ目はそこになる筈です。
そしてそれ程、この時の秦は楚と趙が同盟を結ぶ事を恐れていたのです

国境を接していない燕と斉

秦(しん)が行った外交は、後に「遠交近攻(えんこう・きんこう)の策」と呼ばれるやり方でした。つまり、近くにある国を攻め、遠くにある国とは交流を行うというやり方です。

秦が国境を接しているのは
(ちょう)、(ぎ)、(かん)、(そ)の4国で、
逆に国境を接していない国が(えん)と(せい)という事になります。

つまり同盟を結ぶような約束事こそしていないものの、
燕と斉とは貿易など、非常に良好な状態だったと考えられます。
それは外交官の蔡沢(さいたく)老師と
斉の国王・王建王や燕の筆頭将軍・劇辛(げきしん)のやり取りからも伺えます。

そういう関係性に加え、斉や燕が秦に攻め込む為には、
他の国の国土を通る必要があるのです。
中でも趙の国土を通るのは必須事項。
他の国の軍隊にそんな許可を与えて仮に裏切られた時、その国は絶大な被害を受けます。

そういう地理的な状況や外交上の関係性を考えた時、
いかに昌平君(しょうへいくん)と言っても、
この二つの国に対するマークが甘くなってしまうのは、仕方のない事だと思えてきます。

見くびっていた魏と韓の動き

このように、この時の秦(しん)が恐れていたのは
趙(ちょう)と楚(そ)だと考えられます。
逆に見くびっていたと考えられるのが、直近の戦いで勝利を収めた
(ぎ)と、少し前に大きく領土を奪い取った(かん)という事になるでしょう。

この当時、魏と韓という二つの国は秦に攻め込んで来るどころか、
自国の防衛で手一杯という印象ですし、有力な武将を失ってしまい、
軍事力という意味で大きく遅れを取っています。

実際、魏は要所である山陽すら奪い返せない状態ですし、
それは十以上の城を近年、秦に奪われた韓も同じ。
つまり他の国の協力や援軍がなければ立ち向かえないような状態ですし、
秦に対する恐怖と同様、国境を接する楚に対しても
この二国は強い警戒心を抱いていただろう事は想像できますよね。

なので、昌平君(しょうへいくん)の立場で言うなら、
見くびっていたという事になるでしょう。
趙と楚の接近を警戒するあまり、魏と韓の動きをノーマークにしてしまった。
これこそが、昌平君が自らの失態と責める要因なのかもしれません。

想像の上をいった李牧と春申君の戦術眼

昌平君(しょうへいくん)をもってして、合従軍結成を読めなかった
最大の理由が、李牧(りぼく)の戦術眼を甘く見積もっていたことでしょう。

この当時、昌平君が恐れていたのは李牧が率いる趙(ちょう)と
超大国・楚(そ)による楚趙同盟だった事は想像に難くありません。
秦(しん)の山陽奪取から東群設立という流れに脅威を抱いたとしても、
最も現実的で厄介な相手がこの二国による同盟軍でした。

しかし、李牧は東群設立からの動きで中華が詰みかけている事を察知し
潜めていた筈の昌平君による中華統一の意図を汲み取ってしまいます
だからこそ、趙と楚による同盟だけでは秦の侵攻を止めるには弱く、
逆に秦を潰す為に六国による合従軍を起こす必要があるという結論にまで至ってしまいました。

言い方を変えるなら、李牧の戦術眼が昌平君の想定を上回り、
更に文官であるにも拘らず楚の宰相(さいしょう)、
春申君(しゅんしんくん)までが呼応してしまった為に、
秦国始まって以来、未曾有の危機にまで発展してしまうのですから、
天下をかけるレベルの戦いになると、ほんの一手の指し方が
明暗を分けてしまうのだと、つくづく感じてしまいました。

他国に誇る秦の陣容

今まで述べた事が天才軍師・昌平君にして合従軍結成をなぜ見抜けなかったのか、
それは、自国である秦の陣容に自信を持っていたからだと思います。

つまり、最大脅威と想定した楚趙同盟に対してだったら、
現状の布陣で持ち堪える事が出来るという想定です。
布石となった山陽から東群となった要所の拠点と
そこまでの道筋を守りながら耐え凌ぐ事ができるなら、
趙の国境付近、或いは楚の国境付近の領土を多少失う事になろうとも、
そのくらいの傷口で抑えられるのが今の秦という事でしょう。

実際、王騎を失う事によって蒙武(もうぶ)が強くなり、
王騎軍を副官だった(とう)が引き継ぐ。

更に「白老」と呼ばれた蒙豪(もうごう)は
左腕を失いセミリタイアしたものの、
その副官だった王翦(おうせん)、桓騎(かんき)の二人が
かつての六将級という実力を発揮するようになっている中、
麃公(ひょうこう)、張唐(ちょうとう)という将軍も健在です。

そう、楚趙同盟だったら対抗できるのに十分な陣容。
だからこそ、それ以上の脅威となる動きを見誤ってしまったのだと思います。

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いかがでしたか?
お届けしたのは、天衣無縫の調のさくらでした。

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