太后と向の言い合う母性
続いて放送された第25話の方では、痛みを乗り越えていよいよ中華統一への決意を語る嬴政(えいせい)が描かれています。そして、その決意を聞くのは主人公の信です。
何があろうと、「キングダム」はこの二人の物語なのだという事を強調したような場面でした。
ただ、そこへ至るまでの過程が、今話は重厚に散りばめられていました。宮女の向(こう)が太后(たいこう)へ反論するシーンもその一つです。
これは、女性同士の会話と言うよりも、母親同士の会話でした。嬴政の妃として、嬴政の母親への反論と言う事が出来ます。
向は気の優しい女性で、愛する大王・嬴政のためなら無茶して頑張ってしまう反面、あんな公衆の面前で自分の意見を言うような強い存在ではありませんでした。
母は強いんだと、改めて感じさせるシーンです。
嬴政に迫られる非情の決断
太后は隠し子の命だけは助けてくれと、初めて息子である嬴政に頭を下げました。
でも、嬴政の答えはNOです。理由もはっきりしていて、災いの元になる一切の禍根を残さないというものでした。
親の仇だと思えば、どんなに健やかな子供も、復讐の鬼に変わってしまう。そういう過去の逸話の教訓が中華には至る処で残っています。その代表的な対処法なのでしょうけど、改めてあの場面で聞くと、随分冷たい答えのような気がします。
他の六国を滅ぼし中華を統一する嬴政は、きっとこれ以上の場面をこれから何度も経験するのでしょう。
そういう予感を孕んだ場面のように見えました。
ただ、一般に語られる秦の始皇帝と「キングダム」の嬴政が違うのは、嬴政がとても優しい人間として描かれている事です。
ひょっとするとこれからの物語で一番変化し、一番苦しい思いをするのは、やはり嬴政なのかもしれません。
信と嬴政、より苛烈な戦いへ
第4期のラストはこの場面でも良かったのでは?
そんな気にさせるほど、嬴政と信が肩を並べて話しているシーンはしっくりきました。
ただ、それが終わりを感じさせないのは、きっとBGMのせいだと思います。
実はどこかで書きたいなとずっと思っていたのですが、「キングダム」アニメのBGMがずっと良いんですよね。
それも他のアニメのように主題歌や挿入歌を使うのではなく、その場面、その雰囲気に合うような音楽をその場だけで使うような、労力を惜しまない方法をとってるんです。
ピアノの旋律。太鼓の迫力。零れた涙のような金属音の転がり。色んな場面のBGMが印象的でどれか一つ挙げられないほどです。
そして、そのBGMと嬴政、信の二人が揃って宣言したのは中華を統一するために六国を亡ぼす六大将軍の復活。
いよいよ、より苛烈な戦いに踏み出す事になるのです。
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いかがでしたか?
お届けしたのは、天衣無縫の調のさくらでした。
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