エリザベート２世陛下を襲う病の正体とは？
病名：【白死病（はくしびょう）＝肺結核（転生前の現代医学での病名）】
ファルマの生きている異世界においては、この病に効くと言われる薬は【無い】とされているようで、筆頭宮廷薬師であるブリュノの『神術』による診察結果と『星の巡り』と呼ばれる占いから、宮廷に集まっている大人たち誰しもが、『救えるかもしれない命』に対して諦め始めます。
ただ、そんな中ただ一人【ファルマ】だけは、違いました。
「治すつもりがないのか！？」
父ブリュノの処置に納得がいかなかったファルマは、未熟者としての自分の声に誰も反応しないかもしれないと思いつつも、左目の能力を使い、エリザベート陛下の両肺を覗きます。
そこには、無数の病巣が透かし見え、病魔に侵されているのが分かり、ファルマは現代で開発された『薬』の知識をもとに、自らの手で調合する決意を決めます。
新たな『新薬』を巡り、父とバトル勃発！！
ファルマが見つけた病の名は『肺結核（白死病）』でした。
現代の医療器具が無いこの異世界で、患者を治すためには『飲み薬』を調合する、という判断を選びます。
ただ、特効薬に使われる、薬の組み合わせの中には難しい構造のものもあり、自分の手で作り出せるのか、ファルマは不安がよぎります。
「母上、ご病気いつ治るの？」
自分の息子を慰めようと体を起こすも、力が入らず悔しそうな表情を浮かべるエリザベート陛下と涙を流して、泣き叫ぶ皇子の姿を見たファルマは、心を決め、白死病に効く『新薬』があると、宣言するのでした。
堂々と大人と引けを取らず話すファルマの姿は、カッコよく凛々しいと思いました。
ファルマが危惧していたとおり『新薬』について、反対したのは、薬師である父ブリュノでした。
誰にも邪魔をされないよう、部屋のドアに氷で足止めをしたファルマに対し、本気ともとれる勢いで、自らの『神術』で、ドアを氷ごと吹き飛ばします。
やり方は荒っぽいですが、父ブリュノは、誰よりも患者の事を考えており、
「悪戯に知識だけを振りかざすだけではなく、『患者の心をも救うため』ではならない」という、薬師として最も大切な事を話している姿は、素晴らしく威厳に満ち溢れていました。
「説明できないモノ、それは毒だ！！」（厳しい形相のブリュノの画像がtwitterにてupされてます。ぜひご覧ください）
確かに、患者に説明ができないものは、どんなに有効な薬であっても、心から信用することはできないかもしれないと、私も思いました。
では、いかにして、ファルマは父ブリュノを説得することができるのでしょうか。
父として、筆頭宮廷薬師としての言葉と振舞い
雷が落ちて記憶を失くす前のファルマは『水の神術』を使う少年でした。
しかし、白熱した親子バトルで発動したのは、氷の壁でした。
そのことにより、父ブリュノは大層驚き、ファルマを問いただします。
「お前は、誰だ」と。
しかし、ファルマが書いたであろう薬の構造などが書かれたノートと、両肩に現れた『聖紋』を見た父ブリュノは、薬神様から祝福を受けたのだと、冷静に状況を判断して、ファルマを信用することに。
そして、父の宮廷での対面を気にしていたファルマに対し、自分で作った新薬は自分の名で出すこと、ファルマを信じて思いを託したエリザベート陛下に対しても、薬師として責任を果たせと言い放つ姿に感銘を受けました。
大きく立派になったファルマの背中。
父ブリュノが発した「本当に、ファルマなのか？」という問いに、眉を歪ませながら寂しそうに笑うファルマに、心がギュッとなりました。
その後、ファルマがエリザベート陛下に対し『白死病』の病原となる微生物である、細菌を実際に見せ、より明確に『何』から侵されているか説明します。
どうして薬が必要なのか、どれくらい処方するのか、とても細かい説明もあり、患者であるエリザベート陛下並びに、周りの大人たちも納得していくのが分かります。
人の心を動かすのに、詳しい説明が大事なんだと感じました。
まして、自分の体に関わることなら、尚更でしょう。
『白死病』の全てが終わり、家路につく頃、なんとなくギクシャクしているファルマと父ブリュノでしたが、薬師としてまだまだ未熟者な自分を導いて欲しいと、ファルマから手を差し伸べます。
話し方はまだ、ぎこちない親子な感じはしますが、一人の薬師として進み続けようとするファルマの姿に、父ブリュノもまた心を動かされたのでは、と思いました。
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いかがでしたか？
お届けしたのは、天衣無縫の調のさくらでした。
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